日本刀について

高松美香
2022/6/17

はじめに

私は日本刀が好きだ。今回のブログでは刀の種類やおすすめの刀について触れようと思う。刀はFateや刀剣乱舞など様々な場所でメディアミックスされ、刀剣乱舞に至っては「刀剣女子」なる用語ができるほど人気を博している。そこで私は一刀剣好きとしてブログを通じみんなに少しでも刀を見に行きたいと思ってもらいたい。


日本刀について話すにあたり、まずは「号」と「銘」について説明する。号は優れた日本刀や有名な逸話を持つ刀につけられる愛称。銘は刀工の名前や居住地などが記されることが多く、現代でいえば「ブランド名」のようなものである。


刀の種類

日本刀にはおおきくわけて5つの種類がある。「短刀」「脇差」「打刀」「太刀」「大太刀」と主に刀身の長さで分けられている。

「短刀」…日本刀の中で最も短い種類。刀身が一尺(30cm)以下の刀を短刀と呼ぶ。戦では使われず、主に護身用として懐に忍ばせたり闇討ちや暗殺に向いている刀。


「脇差」は1尺以上2尺(60cm)未満の刀を指す。江戸時代の「武家諸法度」によって武士は本差1本とその補助として脇差1本を携帯すること、そして脇差は1尺~2尺のものとすることが定められた。江戸時代では庶民でも脇差までの長さの刀なら所持して良いことになっていた。


「打刀」「太刀」この2つは両方とも刀身が2尺以上の刀を差す。この2つの刀を見分ける上で1番重要になるのが「反り」だ。太刀は反りが深く、打刀は反りが浅い。太刀は平安時代後期頃にその姿が確立され、鎌倉期から南北朝期へと時代が下るに連れて反りが浅くなり、太刀に代わって打刀が主流になっていった。


「大太刀」刀身が3尺(90.9cm)以上の刀を指す。腰に差すには重く、長すぎるため背負ったり担いだりして運ばれていた。刀身だけで3メートルもある大太刀があったという記録も残っている。


おすすめの刀3振り

ここでは私がおすすめする刀3振りを紹介する。


1.「髭切」(ひげきり)
号「鬼切」
銘「安綱」
源氏の重宝であり、源頼光の部下である「渡辺綱」が所持していた太刀。渡辺綱が京都の一条戻り橋にて髭切を使い、鬼を切ったという逸話から別名「鬼切丸」とも呼ばれている。現在の所有者は北野天満宮で、年に一回展示会が行われている。


2.「にっかり青江」(あおえ)
号「にっかり」
銘「青江」
青江派と呼ばれる刀工が打った大脇差。この変わった名前はとある夜道でにっかりと笑う女の幽霊を切ったことからそう呼ばれるようになった。現存している姿では脇差だが、元は75㎝を超える太刀で戦いを経るにつれ刀身が欠損し今の状態になったといわれる。現在は香川県丸亀市にある丸亀市立資料館に保管されている。


3.「長曽祢虎徹」(ながそねこてつ)
号「長曽祢」
銘「不明」
所持者は新撰組局長、近藤勇
この長曽祢虎徹は「贋作」であったという説から銘が不明となっている。
銘を「虎徹」としていた刀工「長曽祢興里」(ながそねおきさ)は甲冑師から50才で刀工に転職し、その年で生涯200近くの刀を打った。
「長曽祢興里」が打った刀は切れ味がよく、見た目も美しいため、当時から国宝級の刀として有名だった。
値段もそれなりにするため、偽物を作る輩が後を絶たず、刀の収集家からは「虎徹をみたらうそと思え」と言われるほどに贋作が多かった。
近藤勇の持つ長曽祢虎徹を打ったとされる刀工は「源清麿」といい、近藤の虎徹は虎徹と偽名を打って売りつけられたものという説がある[注釈1]。贋作であったが、近藤勇曰く長曽祢虎徹は非常に切れ味が良いと語っており、池田屋事件でも使用したほどに愛用していたそうだ。


最後に

私が刀にはまった理由は現存する刀を見ることで歴史上の人物が本当に実在したと再確認させてくれるからだった。髭切やにっかり青江の逸話に関しては鬼や幽霊など非科学的なもので史実とは言えないが、「鬼」は血に狂った武士の隠語で時代を経るにつれ尾ひれがつき、鬼になっていったのかもしれないと真面目に考察をしてみるのも楽しいと思う。もし近くの美術館や資料館などで刀が展示されていたら、実際に見てその刀の逸話などを調べてみると良いかもしれない。


脚注

[注釈1]映畫や小説で小兒まで知れて居ります近藤勇氏の虎徹が實は當時の巨匠、源清麿の作つた僞物であつた事などはその一例として好適なものでありませう、僞物と雖も眞物に劣らぬ清麿の作ですからよく切れたのも無理はありません。同じ僞物でも、前に述べた昭和刀とは段が異ひます(以下略)。

参考資料

日本刀ワールド 反りとは
日本刀ワールド 脇差とは
髭切を所蔵する北野天満宮HP
にっかり青江を所蔵する丸亀市立資料館HP

本阿弥光遜「僞物とは何ぞや」『刀剣鑑定秘話 2版』金竜堂、1942年6月。「pp69~70原本127~128」

香川県立ミュージアム 編『丸亀京極家: 名門大名の江戸時代: 特別展』2012年11月3日、94頁

丸亀京極家:名門大名の江戸時代