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日本における宗教
 
32145035 木村涼
2021/12/12

  はじめに

 今回私は初心者スマホ教室と日本神話についてブログを書くことになった。しかし正直どのような内容を書けばよいのかまったく見当がつかない。そもそもこの初心者スマホ教室と日本神話の2つに通ずる共通点のようなものが見つからないからである。何も書かないということはできないので、今回は少々無理やりこの2つを結びつけてみようと思う。
 近年では科学の進歩や、PC・スマホといった情報通信機器が幅広い年代で普及したことによる情報社会の発達により、宗教や昔からの伝統といった精神的で非科学的な考えは若者を中心に支持されにくくなった。また、継承者の高齢化もこの事態に拍車をかけお祭りといった伝統行事なども年々姿を消してきている。
 そこで今回は日本神話に登場する神様の伝説から日本における宗教について持論を書いてみようと思う。多少強引な部分があるがその点はご了承していただきたい。


  日本神話の神様について

 神道の神々は、海の神、山の神のような自然界や自然現象を司る神々、商売や学問の神々、縁結びなど人間関係の神など、その数と種類の多さから「八百万の神」と言われている。また神様は大きく分けて3種類に分類することができ、1つは神話の中に登場する神様(天照大御神、大国主命など)、2つ目は地域ごとに信仰されている神様(恵比寿、山の神など)、そして最後は歴史上の人物が死後、祀られたことで誕生した神様(徳川家康、平清盛など)である。
他にも仏教の仏が神道の神と同じように慕われることもある。仏が神として慕われることに少し違和感を持つ人もいるだろう。これは明治時代に神仏分離が行われたことの名残だといえる。それまでは一部地域を除いて神道と仏教、陰陽道などの信仰をはっきりと区別することはなくいずれも民衆のよりどころとなっていた。だが、明治時代に天皇崇拝を義務づけるために神道を国教とし、それ以外を除去する動きが強まった。このような歴史から現代で仏教と神道が区別されてはいる一部の仏と神の区別が難しくなっている場合があるのである。

鳥居

  学問の神様について

神道において学問の神として祀られている神様は開拓三神や、弘法様、文殊菩薩など何柱か存在する。皆さんは学問の神様と聞いてどの神様を一番に何を思い浮かべるだろうか?
多くの人が天神様(菅原道真公)を思い浮かべるのではないだろうか?今回は特に天神様を取り上げていこうと思う。

  天神様とは

 天神様とはいったい誰なのだろうか。天神様は本来、天満大自在天神と呼ばれ平安時代に活躍した貴族の菅原道真公のことを指している。
 菅原道真は中級貴族の家柄に生まれ幼いころから天才と称され育った。天皇の寵愛を受けたが他の有力な貴族に出世を妬まれ、藤原時平のたくらみにより大宰府へと流され大宰府で亡くなった。
 死後、都では藤原氏を中心とした貴族の連続死や伝染病、地震・落雷などの天災が相次ぎ、これらのことは全て菅原道真の怨霊による祟りが原因なのではないかという噂がたち始めた。そのため、菅原道真の怨霊を鎮めるために右近の馬場(現在の北野)と御遺体が埋葬された大宰府の近くに菅原道真を祀る社殿が造られる。これが後の北野天満宮と太宰府天満宮とされ、その後天皇の命令で祭事が行われこれが後の天神信仰の始まりとなる。

  天神信仰について

 伝染病や天災が治まった後、怨霊として恐れられることは少なくなり、天神様は自然現象を司る神やめぐみの神として農民を中心に信仰が広まり、全国的に天神様を祀る社や祠が約12000ほど造られた。また和歌・連歌など芸能の神、現世の長寿と来世の極楽往生に導く神などとして幅広く信仰されるようになった。江戸時代以降は、寺子屋での教育が広まり菅原道真が生前優れた学者・歌人であったことから、学問の神として盛んに信仰されるようになった。これが現代にも続き「学問の神」として慕われている。


  個人的見解

 皆さんはこの一連のエピソードを読み、どのように感じただろうか?
 私は菅原道真が祀られ今に至るまでの経緯に少し驚いた。怨霊として祀られその後は農民を中心に天候を司る神、めぐみの神とされ、その後も芸能の神や長寿、極楽浄土に導く神など仏教的な視点からも慕われる神様とされている。元は私たちと同じ人として生き、優秀すぎるがゆえに妬まれた人である。しかし、神として祀られるとまるで全知全能の神かのように慕わているのである。少し都合がよすぎると感じないだろうか?
 これは良い悪いの問題でなく日本の国民性の1つなのかもしれない。歴史から見て複数の宗教が長期間国民の心のよりどころになる以上に、政治的道具として扱われたことで、国内で信仰される宗教が何度も変化することになっている。この歴史は世界的に見ても稀なケースであり、日本特有ともいえるだろう。そのため、現代では宗教分離が行われているにもかかわらず、宗教的な問題が政治問題に繋がり、一部の宗教団体は政治に深く関わりがあるなどマイナスなイメージが強くなり、宗教とはなるべく関わりたくないという考えを持つ人が多くなっていると考えられるのではないだろうか。


  最後に

 今回は天神様が祀られ、慕われる経緯から日本における宗教について考えた。日本特有の歴史によって現在多くの国民は「無宗教」であるが、お盆やお彼岸、初詣など古くから続く伝統や生活の中にしみ込んだ宗教的行事は消えることなく残り続けている。私はこのことは複数の価値観に触れる機会になる良い伝統だと考える。だがしかし、特定の国民の心のよりどころとなる宗教が存在しないため、複数の宗教によって精神的なバランスがとられており、このバランスが国際関係などによって崩れると大きな打撃を受けることにつながるというデメリットも考えられる。 年末年始も日に日に近づき、除夜の鐘をきく人や初詣に行くといった人も多いだろう。今年は感染症対策のことだけでなく、身の回りの宗教的な行事のことも少し考える年末年始を過ごすというのはいかがだろうか。

初詣

  参考文献

菅原道真「怨霊から受験の神」に転身できた理由
天神信仰
日本の神さまと神社

小説:「神様の御用人」 作者:浅葉なつ メディアワークス文庫
神様の御用人