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いつから `Well-known ports` は `System Ports`に呼び方が変わったのか
目次
TL;DR
RFC 7605のセクション4で改められている。
https://tex2e.github.io/rfc-translater/html/rfc7605.html#4--Current-Port-Number-Use
導入
wikipedia には、ポート番号 0~1023番を Well-Known Portと過去に呼ばれていたと過去形で書かれている。
ということでいつから変わったのか気になる。
引き続き有効な別名として Well-Known Port も使ってよいとされる。
名称変更の背景とRFC 7605
ポート番号0から1023番は、長らく「ウェルノウンポート(Well-known Ports)」として親しまれてきましたが、現在は「システムポート(System Ports)」が正式名称となっています。この変更を明確に定義しているのが、2015年8月に発行された RFC 7605 です。
RFC 7605のセクション4「Current Port Number Use(現在のポート番号の使用)」には、以下のような記述があります。
Port numbers are assigned in various ways, based on three ranges: System Ports (0-1023), User Ports (1024-49151), and the Dynamic and/or Private Ports (49152-65535).
ここで明確に「System Ports (0-1023)」と定義されており、かつて「Well-known Ports」と呼ばれていた範囲が「System Ports」に、「Registered Ports」と呼ばれていた範囲(1024-49151)が「User Ports」へと呼称変更されていることがわかります。
なぜ名称が変わったのか
名称変更の主な理由は、ポート番号の管理実態と利用状況をより正確に反映するためと考えられます。
かつて「Well-known(よく知られた)」という言葉は、システム管理者やルート権限を持つプロセスのみがバインドできる「特権的なポート」という意味合いと、広く知られたサービスが固定的に利用するという意味合いを兼ねていました。しかし、インターネットの発展とともに、これらのポートが単に「有名なサービス用」というだけでなく、OSやシステムレベルで管理されるべきリソースであるという側面が強調されるようになりました。
「System Ports」という名称は、この範囲がシステム権限(Unix系OSにおけるroot権限など)と密接に紐付いていることをより直感的に示しています。同様に、「User Ports」も、一般ユーザー権限で利用可能な登録ポートであることを示唆しており、より現代的なシステム運用に即した命名といえます。
互換性と現在の運用
名称は変更されましたが、RFC 7605では旧名称の使用を禁止しているわけではありません。同RFC内でも、以下のように言及されています。
The System Ports are also known as the "Well Known Ports". The User Ports are also known as the "Registered Ports".
つまり、歴史的な経緯や既存のドキュメントとの互換性を考慮し、「Well-known Ports」という呼び方も引き続き有効な別名として認められています。
実際に、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)の公式サイトや多くの技術書、ネットワーク機器の設定画面では、現在でも「Well-known Ports」という表記が広く使われています。実務上はどちらの用語を使用しても意味は通じますが、公式な定義としては「System Ports」が採用されているという事実を把握しておくことは、正確な技術理解のために重要です。
まとめ
ポート番号0-1023の呼称変更は、2015年のRFC 7605によって定義されました。
- 旧名称:Well-known Ports
- 新名称:System Ports
- 変更時期:2015年8月(RFC 7605発行)
日常会話や慣習的なドキュメントでは「ウェルノウンポート」と呼んでも差し支えありませんが、より厳密な技術的文脈や、RFCに準拠した記述を行う際は「システムポート」という用語、あるいは両方の用語を併記するのが適切です。時代の変化とともに、基本的な用語の定義もアップデートされているという好例といえます。